Overleafでの日本語LaTeX
クラウド上でLaTeXを行うことには、コンピュータ上にTeXコンパイルやエディタの環境を整える必要が無い、共同で執筆できる、等の利点がある。
今まで私はクラウド上でLaTeXを行ったことはなかったのだが、色々と捗りそうなのでやってみることにした。
主なものには
www.sharelatex.com
www.overleaf.com
cloudlatex.io
などがあるが、いずれも日本語対応している。
すべて登録してみたのだが、少し調べてみてOverleafを使ってみようと思った。
利点や欠点がそれぞれいろいろありそうだあるが、選んだ理由はコンパイルが早そうだったことである。
この記事ではOverleafでのLaTeXテストということで、テスト文書の紹介を行う。
日本語対応させる上で参考にしたサイトは
doratex.hatenablog.jp
である。
TeX Wiki中の様々な記事にもお世話になった。
- 日本語で書かれ、
- しおりやタイトルが日本語で文字化けせずに出力されており(自分のMacPC上でという制限はつけるが)、
- 20ptで書かれ、
- geometry.styを用いて余白が適当に調整された、
- pdfが作られる
ということを目標とした。
作業一覧
Overleafならではの作業を記す。
Sign UpとSign In
Sign Upは簡単にできる。
たとえばTwitterのアカウントがあれば、アプリの連携によりユーザー登録可能である。
Sign Inも簡単である。
Twitterとの連携によってSign Upした場合はSIGN IN WITH TWITTERを押せば良い。
プロジェクトの作成
まずプロジェクトを作成する。
Overleaf上で用意されたテンプレートを元に作成することも出来るし、自分で作った既存のプロジェクトを元に作成することも可能である。
(u)platex+dvipdfmxの場合の処理
参考にしたOverleaf で日本語を使用する方法 - TeX Alchemist Onlineによれば、latexmkrcというコマンド命令の型を記したファイルが必要であるとのことである。
テスト結果
日本語pdf出力に対応したコマンド処理五種類(XeLaTeX、LuaLaTeX、pdfLaTeX、pLaTeX+dvipdfmx、upLaTeX+dvipdfmx) × LaTeXドキュメントクラス二種類(article系とjsarticle系)で計10種類を試した。
いずれの結果もテスト目標を達している。
jsarticle系
テスト - uplatex dvipdfmx jsarticle - Overleaf
テスト - platex dvipdfmx jsarticle - Overleaf
テスト - XeLaTeX bxjsarticle - Overleaf
テスト - pdflatex bxjsarticle - Overleaf
テスト - LuaLaTeX ltjsarticle - Overleaf
article系(元々が日本語用途ではないので読みにくい場合もある。)
テスト - platex dvipdfm extarticle - Overleaf
テスト - uplatex dvipdfmx extarticle - Overleaf
テスト- pdflatex extarticle - Overleaf
テスト - XeLaTeX extarticle - Overleaf
テスト - LuaLaTeX extarticle - Overleaf
感想
それぞれの違いについてはよくわかっていないのだが、感想や気付いたことだけ簡単に述べる。
- article系は読みづらい。ちなみに20ptで書くにはdocumeyclassにextarticleを設定する必要がある。
- luaLaTeX はコンパイルが遅い。出来るpdfのサイズが大きい。
- pdfLaTeX はコンパイルが遅くはないが、lulatexについで出来るpdfのサイズが大きい。
- XeLaTeXは少しフォントが異なる。(とくにフォントを指定していないとき)"さ"が特徴的。
- XeLaTeXはコンパイルが遅くなく、pdfのサイズはそれほど大きくない。dviを経由していないもの(uplatex、platex以外)の中では最も小さかった。
- uplatexとplatexの違いはよくわからなかった。uplatexの方がpdfサイズが若干小さく、何かが違うらしい。