四次元空間におけるLaplacianの極座標表示 〜 角運動量演算子との関係 ~

本記事では四次元空間におけるLaplacian(Laplace演算子)の極座標表示、および角運動量演算子を用いた表示を紹介する。

Laplacianは動径部分と角度部分(Laplace-Beltrami演算子)に分解されるが、角度部分は実はso(4)代数のCasimir演算子(全てのso(4)代数の元と可換となるもの)のうちの一つであることがわかる。

本記事は以下の構成になっている。

  1. 四次元空間のLaplacianの極座標表示
  2. 角運動量演算子極座標表示
  3. Laplacianの角運動量演算子を用いた表示

四次元空間のラプラシアンの極座標表示.pdf - Google ドライブ


まとめと今後の展望

本記事では、四次元空間におけるLaplacian(Laplace演算子)の極座標表示、および角運動量演算子を用いた表示を紹介した。

Fockの水素原子のエネルギースペクトルの解法を論じるときに、四次元空間のLaplacianが登場する。
同解法を議論するにあたっては、Laplacianに対するグリーン関数や四次元の球面調和関数の知識が必要である。
今後これらについてまとめた記事を書く予定である。
さらにSO(4)群やso(4)代数についてもまとめたいと考えている。
これらのリー群やリー代数について熟知することは、水素原子のエネルギースペクトルやスペクトルに付随したヒルベルト空間(同一エネルギーの状態からなる部分空間)の構造を幾何学的/代数的に理解する助けとなると考えられる。

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