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adhara’s blog

数理物理に関する記事を書きます。 https://twitter.com/adhara_mathphys

ラゲール陪多項式の性質(直交性、常微分方程式、漸化式)

特殊関数 直交多項式 ラゲール多項式

ラゲール陪多項式{\displaystyle k=0} でラゲール多項式となることを考慮すると、本記事は以前の記事の内容
adhara.hatenadiary.jp
を含んでいると言える。

ラゲール陪多項式の満たす二階常微分方程式

ラゲール陪多項式は次の二階常微分方程式を満たす。
{\displaystyle
x\frac{d^2L_n^k}{dx^2}+(k+1-x)\frac{dL_n^k}{dx}+nL_n^k(x)=0
}
この微分方程式は、ラゲール微分方程式
{\displaystyle
xL''_{n+k}(x)+(1-x)L'_{n+k}(x) +(n+k)L_{n+k}(x) = 0 
}
{\displaystyle k}微分し、ラゲール陪多項式の定義
{\displaystyle 
L_n^k(x) = (-1)^{k}  \frac{d^k}{dx^k} L_{n+k}(x)
}
を用いることで導出できる。

漸化式

漸化式についてもラゲール多項式の漸化式を微分することにより導出可能である。
例えば、指数{\displaystyle k}が同じラゲール陪多項式に関する漸化式として、
{\displaystyle
(n+1)L_{n+1}^k(x)-(2n+k+1-x)L_n^k(x)+(n+k)L_{n-1}^k(x)=0
}
{\displaystyle
x\frac{dL_n^k}{dx}(x)=nL_n^k(x)-(n+k)L_{n-1}^k(x)
}
が成立する。

ラゲール陪多項式の直交性

指数{\displaystyle k=0}が同じラゲール陪多項式について直交性が成立する。
すなわち、
{\displaystyle
\int^\infty_0 dx\ e^{-x} x^k L_n^k(x) L_m^k(x)
}
{\displaystyle 
=
 \sum_{l=0}^n \sum_{s=0}^m (-1)^{l+s} 
{}_{l+s}C_{s}\ {}_{k+l+s}P_{k}\ {}_{n+k}C_{n-l}\ {}_{m+k}C_{m-s} 
}
{\displaystyle
= {}_{n+k}P_{k}\ \delta_{mn}
}
が成立する。
第一式はラゲール陪多項式級数表現
{\displaystyle
L_n^k(x) = \frac{1}{n!} \sum_{m=0}^{n} (-1)^{m}  {}_{n}P_{n-m} \ {}_{n+k}C_{n-m} \ x^{m}
}
を代入により示すことが出来る。
第二式についても直接示すことが可能であるが後日紹介する。

直交性における重み関数が {\displaystyle e^{-x} x^k} となる理由は、{\displaystyle \psi^k_n(x)=e^{-x/2}x^{k/2}L_n^k(x)} がStrum-Liouville型の自己随伴方程式を満たすことに起因する。
すなわち、
{\displaystyle
x\frac{d^2\psi_n^k}{dx^2}(x)+\frac{d\psi_n^k}{dx}(x)+\left( -\frac{x}{4}+\frac{2n+k+1}{2}-\frac{k^2}{4x}\right)\psi_n^k(x)
}
{\displaystyle
=
\frac{d}{dx}\left( x\frac{d\psi_n^k}{dx} \right)+\left( -\frac{x}{4}+\frac{2n+k+1}{2}-\frac{k^2}{4x}\right)\psi_n^k(x)
}
{\displaystyle
=0
}
を満たす。

有用な積分

水素原子のシュレディンガー方程式の電子状態波動関数を表現するにあたって重要となる積分を紹介する。

{\displaystyle
\Phi_n^k(x)=e^{-x/2}x^{(k+1)/2}L_n^k(x)
}
とすると、
{\displaystyle
\frac{d^2\Phi_n^k}{dx^2}(x)+\left(-\frac14+\frac{2n+k+1}{2x}-\frac{k^2-1}{4x^2} \right) \Phi_n^k (x)=0
}
が成立する。
この方程式は一見するとStrum-Liouville型であるが、境界条件の関係からこの関数において直交性は満たされないことに注意されたい。

この関数の二乗ノルムは次のようになる。
{\displaystyle
\int^\infty_0 dx \left[ \Phi_n^k(x) \right]^2 ={}_{n+k}P_{k}\ (2n+k+1)= \frac{(n+k)!}{n!}(2n+k+1)
}
漸化式とラゲール陪多項式の直交性を用いることで、この等式を導出できる。

まとめ

本記事ではラゲール陪多項式の性質をまとめた。水素原子のシュレディンガー方程式解を求める時これらの知見が役に立つ。

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