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adhara’s blog

数理物理に関する記事を書きます。 https://twitter.com/adhara_mathphys

ラゲール多項式の性質(直交性、常微分方程式、漸化式)

直交多項式 特殊関数 ラゲール多項式

この記事では、ラゲール多項式の直交性を中心に紹介する。
直交性を示すにあたり、ラゲール多項式が満たす常微分方程式を示す。
また、ラゲール多項式の計算に便利な漸化式を示す。

ラゲール多項式およびラゲール陪多項式は直交多項式系を成すことから有用である。
これらの多項式が示すのは、半開区間 {\displaystyle  [0,\infty ) } における直交性である。
全実数区間における直交性を示すエルミート多項式、閉区間での直交性を示すルジャンドル多項式と対比される。
古典直交多項式は、区間の種類によってこの三種類に分類される。

では、本題に。

ラゲールの微分方程式

ラゲール多項式は、ラゲールの微分方程式
{\displaystyle
xL''_n(x)+(1-x)L'_n(x) +nL_n(x) = 0 
}
を満たす。
これは、ラゲールの多項式の原点周りの経路積分表示
{\displaystyle 
L_n(x) = 
\frac{1}{2\pi i} \oint dz \frac{e^{-\frac{xz}{1-z}}}{(1-z)z^{n+1}}
}
を左辺に代入すると、
{\displaystyle
(\mathrm{LHS}) = \frac{-1}{2\pi i} \oint dz\ \frac{d}{dz}\left( \frac{e^{-\frac{xz}{(1-z)}}}{(1-z)z^n } \right)
}
となり、完全微分の周回積分なので{\displaystyle 0}となることから分かる。

漸化式

母関数{\displaystyle g(x,z) = \frac{e^{-\frac{xz}{1-z}}}{1-z} }{\displaystyle z }偏微分より、
{\displaystyle
nL_{n}(x) = \sum_{m=0}^{n-1} \left( 1 - (n-m)x \right)L_m(x)
}
が成立する。
一方、母関数の{\displaystyle x}偏微分より、
{\displaystyle
L'_n(x) = -\sum_{m=0}^{n-1} L_m(x) 
}

が成立する。
したがって、二つの漸化式が成立する。
{\displaystyle
(n+1) L_{n+1}(x) = (2n+1-x)L_n(x) - nL_{n-1}(x) 
}
{\displaystyle
xL'_n(x) = nL_n(x) - nL_{n-1}(xT)
}

ラゲール多項式系の直交性

ラゲール方程式自体は、Strum-Liouville型の自己随伴方程式になっていない。
{\displaystyle \varphi_n(x) = e^{-\frac{x}{2}}L_n(x) } は自己随伴方程式の解である。
すなわち、
{\displaystyle
x\varphi''_n(x) + \varphi'_n(x) + \left(n+\frac12 - \frac x4 \right)\varphi_n(x) 
}
{\displaystyle
=\frac{d}{dx}\left(x\varphi'_n(x) \right) + \left(n+\frac12 - \frac x4 \right)\varphi_n(x) 
= 0
}
となっている。
境界条件を考慮すると、半開区間 {\displaystyle  [0,\infty ) } における直交性をもつことがわかる。

ここでは、規格化定数を求めると共に直交性を直接示そう。

すなわち、{\displaystyle n\ge l }として、
{\displaystyle
\int^{\infty}_0 dx\ \varphi_n(x)  \varphi_l(x) 
}
{\displaystyle
=
\int^{\infty}_0 dx\ e^{-x} 
\sum_{m=0}^n \frac{n!}{m!m!(n-m)!} (-1)^m x^m 
\sum_{k=0}^l \frac{l!}{k!k!(l-k)!} (-1)^k x^k 
}
{\displaystyle
=
\sum_{m=0}^n \sum_{k=0}^l
\frac{n!}{m!m!(n-m)!} (-1)^m 
\frac{l!}{k!k!(l-k)!} (-1)^k 
\Gamma(m+k+1)
}
{\displaystyle
= \sum_{m=0}^n \sum_{k=0}^l {}_n C_m (-1)^{m} {}_l C_k (-1)^{k} {}_{m+k} C_m 
}
{\displaystyle
=
\sum_{k=0}^l \delta_{nk}  \ {}_l C_k (-1)^{2k}
=\delta_{nl}
}

ここで、{\displaystyle 0\le k \le n } に対して成立する関係式、
{\displaystyle
\sum_{m=0}^n {}_n C_m (-1)^{m} {}_{m+k} C_m = (-1)^{k}\delta_{nk}
}
を用いた。(帰納法を用いれば示せる。)
式の対称性より、{\displaystyle n\le l} の時もこれは成立する。
以上より、
{\displaystyle
\int^{\infty}_0 dx\ \varphi_n(x)  \varphi_l(x) =\delta_{nl}
}

まとめ

本記事では、ラゲール多項式の性質(直交性、常微分方程式、漸化式)を列挙した。
この次はラゲール陪多項式の性質を列挙することになる。

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