最近,このブログを更新していませんでした. 更新していない間,ブログへのアクセスが重いという報告を多く受けました.また,私が実際にアクセスしても重かったので,新しい場所にコンテンツを移行することを計画しています.現在,マイページを github に…
以前の記事adhara.hatenadiary.jpでは spheroconical(円錐)座標について紹介した。本記事では spheroconical 座標を用いて三次元 Laplace 方程式の変数分離を行い、Lamé の微分方程式の導出を行う。以下、ノートを参照のこと。 Spheroconical 座標から始ま…
以前の記事 adhara.hatenadiary.jp では三次元Laplace方程式を変数分離する11個の座標系を紹介した。その中の一つである円錐(spheroconical)座標は球座標系と同様に三次元回転対称性を持つ座標系であるが、ややマイナーな座標系である。 そのせいか座標系の…
Helmholtz 方程式は波動方程式*1を時間部分と空間部分に変数分離して解く時の、空間部分の方程式である。したがって物理の問題としては波動現象を考える時に出てくることが多い。一方で、Helmholtz 方程式については多様な変数分離可能性(Multiseparability…
数回に分けて、水素様原子に対する(非相対論的)束縛状態エネルギースペクトル を求めるための9通りの解法を紹介する予定である。 E. Schrödingerによる波動方程式解法(ラゲール陪多項式を用いる) W. Pauliによるso(4)代数を用いる解法 su(1,1)代数を用い…
以前の記事で、非相対論的水素原子のSchrödinger方程式をKustaanheimo-Stiefel(KS)変換によって四次元空間中の等方調和振動子のSchrödinger方程式に変換できることについて紹介した。 adhara.hatenadiary.jp adhara.hatenadiary.jp adhara.hatenadiary.jp…
超球面上の球面調和関数に関する以前の記事、adhara.hatenadiary.jpでは、帯球関数やそれを表現するための特殊関数であるGegenbauer多項式を導入していた。帯球関数の著しい性質として、再生核となることがある。 すなわち、同じ次数の球面調和関数を「再生…
こちらは物理 Advent Calendar 2017 21日目の記事である。 物理学の諸分野でノンコンパクトリー群・リー代数が顔を出すが、多くの分野の根底にある数理構造にも関わらずあまり着目されていないように思われる。これが本記事の執筆の動機である。数学部分につ…
こちらは物理 Advent Calendar 2017 3日目の記事である。 前二日の記事を見てみると、物理各分野の俯瞰を試みた1日目のましろさんの記事、非相対論・相対論量子力学の基礎方程式を比較解説した2日目のれおなちさんの記事、はいずれも教育的な記事で素晴らし…
以前の記事adhara.hatenadiary.jpでは水素原子の束縛状態のスペクトルを因数分解解法によって求める方法を紹介した。 本記事はこの解法と超対称性量子力学との対応関係を眺めて、超対称性量子力学的な解釈を紹介することを目的としている。以下の構成になっ…
本記事の目的は水素原子の二つの解法であるSchrödinger の解法と 解法を通じて、Laguerre関数(陪多項式)と のユニタリ表現の関係を明らかにすることである。Schrödinger の解法はadhara.hatenadiary.jpで紹介している。また、 解法は以前の記事adhara.hate…
非相対論的水素(様)原子については様々な解法があり、その豊富な解法には隠れた数理構造があることはこのブログで多数紹介している。 例えばレビュー記事としてまとめている。 【レビュー】非相対論的水素原子Schrödinger方程式における力学的対称性 - adh…
Minkowski空間 におけるMaxwell方程式はLorentz対称性に加えて共形対称性(conformal symmetry)をもつ。 本記事では共形対称性に対応する共形変換代数 について紹介する。 表記について ミンコフスキー距離を保つ微小な線形座標変換 狭義Lorentz変換とリー…
数回に分けて、水素様原子に対する(非相対論的)束縛状態エネルギースペクトル を求めるための8通りの解法を紹介する予定である。 E. Schrödingerによる波動方程式解法(ラゲール陪多項式を用いる) W. Pauliによるso(4)代数を用いる解法 su(1,1)代数を用い…
ラゲール多項式やラゲール陪多項式をSageMath(jupyter notebookバージョン)でプロットしてみた。 これらの定義はリファレンスや関連記事に詳しい。SageMathにおいてラゲール多項式自体はここにあるように定義されているのだが、あえて 合流型超幾何関数を…
エルミート(Hermite)多項式をラゲール(Laguerre)関数で書き換える、ということを行う。 合流型超幾何関数を用いたラゲール関数の定義 エルミート多項式の定義と諸性質 エルミート多項式をラゲール関数で書く。 エルミート多項式の第一種合流型超幾何関数…
いくつかの記事で水素原子やケプラー問題を四次元調和振動子の問題に変換するKustaanheimo-Stiefel (KS) 変換について紹介していく予定である。 第三弾である本記事ではKS変換によって導出された固有方程式を実際に解く、ということを行う。 はじめに ノート…
いくつかの記事で水素原子やケプラー問題を四次元調和振動子の問題に変換するKustaanheimo-Stiefel (KS) 変換について紹介していく予定である。 第二弾である本記事では非相対論的水素原子のSchrödinger方程式をKS変換により書き換えるということを行う。 は…
いくつかの記事で水素原子やケプラー問題を四次元調和振動子の問題に変換するKustaanheimo-Stiefel (KS) 変換について紹介していく予定である。 第一弾である本記事では KS 変換の概要を紹介する。 KS変換の二次元版 KS変換の登場 KS変換の発展と応用 KS変換…
ノートを参照。 臨界減衰.pdf - Google ドライブ リファレンス 減衰振動 - Wikipedia ジョルダン標準形 - Wikipedia
本記事では剛体球の自由回転運動のシュレディンガー方程式における力学的対称性について紹介する。 はじめに 水素原子の力学的対称性については、 adhara.hatenadiary.jp 等で詳しく紹介してきた。 そこではハミルトニアンが元々の空間の対称性よりも大きな…
以前の記事でoverleafで行うLaTeXについて紹介した。 adhara.hatenadiary.jpここではcloudlatexとoverleafについて簡単にまとめた(twitterを貼り付けるだけ)(2)プレビューについては、CloudLatexの方が見やすい(プレビューpdfで文字をカーソルで選択で…
超可積分に関する入門記事第一弾である。本記事は超可積分に関するレビューである Miller Jr, W., Post, S., & Winternitz, P. (2013). Classical and quantum superintegrability with applications. Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical, …
本記事はBertrandの定理についてのレビューである。 Bertrandの定理とは Bertrandの定理以前 Bertrandによる証明 Bertrandの定理の意義 別の証明方法の探求 Bertrandの定理の背後にある対称性 まとめと今後の展望 リファレンス 力学の教科書 Bertrandの定理…
本記事では、非相対論的水素原子 Schrödinger 方程式における力学的対称性と理論の発展に関するレビューをする。 基本的にスピンの存在によるエネルギー縮退を考えていない。 水素原子のエネルギー準位の発見と前期量子論 量子力学の創設と水素原子のエネル…
以前の記事 adhara.hatenadiary.jp ではJordan-Schwingerのボソン生成演算子を用いたSU(2)のユニタリ表現の応用例として、水素原子の束縛状態の波動関数を表示できることを示した。本記事ではボソン演算子を用いてso(4,2)代数の構築ができることを示す。 水…
以前の記事 adhara.hatenadiary.jp ではボソン演算子を用いてSU(2)のユニタリ表現を構築できることを紹介した。 ボソン演算子を用いてリー代数su(2)の元を表示することが出来ることも示した。本記事では、ボソン生成演算子を用いたSU(2)のユニタリ表現の応用…
クラウド上でLaTeXを行うことには、コンピュータ上にTeXコンパイルやエディタの環境を整える必要が無い、共同で執筆できる、等の利点がある。 今まで私はクラウド上でLaTeXを行ったことはなかったのだが、色々と捗りそうなのでやってみることにした。主なも…
以前の記事 adhara.hatenadiary.jp ではSU(2)群の既約ユニタリ表現を紹介した。 そこでは複素係数二変数斉次多項式空間がSU(2)の表現により既約分解されること、各次数の部分空間が既約部分空間なっていること、がわかった。本記事は各部分空間を結びつける…
以前の記事 adhara.hatenadiary.jpでは同じ次数の四次元球面調和関数がなす空間がSO(4)の表現空間としては既約であることをリー代数を用いて示した。高次元の球面調和関数については adhara.hatenadiary.jpでも議論しており、高次元球面上の自乗可積分関数が…