ラゲール多項式/ラゲール陪多項式の定義
本記事では、ラゲール多項式(Laguerre polynomials)、ラゲール陪多項式(associated Laguerre polynomials)の定義や様々な表示について記述する。
筆者は現在、球ポテンシャル下における力学的対称性(dynamical symmetry)や力学的群(dynamical group)について調べており、その準備として、ラゲール多項式の性質をまとめる試みである。(ここはちょっと飛躍がある。次の段落で何となく察してほしい。)計算したり調べたり考えながら書いてるが、不注意から間違いがあるかも知れない。しかしながら、適宜修正は行われ段々と洗練されたものとなるはずである。
ラゲール多項式と物理の関係は、水素原子における電子波動関数を記述する際にラゲール陪多項式が用いられることから良く知られていることだと思う。同じく球対称ポテンシャルである三次元調和振動子ポテンシャルにおける波動関数も、ラゲール陪多項式を用いて書くことが出来ることが知られている。(ただし、三次元調和振動子の問題では、カーテシアン座標で方程式を分離することが出来るために、エルミート多項式を用いることが一般的であるが。)
両ポテンシャル下の問題では、球対称性に由来する縮退以上に高度な縮退をもつという、共通の特徴がある。この原因は力学的対称性であり、ラゲール多項式はこの対称性に何らかの形で関わっているのである。
では、本題に。
ラゲール多項式 の定義
ラゲール多項式の定義はロドリゲス表示、
によって与えられる。
ロドリゲス表示に対応して、 周りの閉路積分表示
が存在する。
上記の閉路積分表示において、変数変換 を行うことにより、 を含まない原点周りの閉路積分表示、
が成立する。
このことから、母関数
が存在していることが分かる。
一方、ロドリゲス表示から、多項式表示
が導かれる。
まとめ
今回の記事では定義やそれらと等価な記法を列挙しただけである。(記事の背景を書いたが。)
ラゲール(陪)多項式の性質として、直交性や二階常微分方程式の解となることがある。これらのまとめが直近で取り掛かることである。
そして、これらを使ったクーロンポテンシャルや調和ポテンシャル下でのシュレディンガー方程式の解について述べることになるだろう。
同時にリー群やリー代数に関するまとめも行われる。
最初の問題設定についてもいずれきちんと書く必要がある。
リファレンス
- M. Abramowitz and I. A. Stegun: "Handbook of Mathematical Functions With Formulas, Graphs, and Mathematical Tables", (1964) National Bureau of Standards Applied Mathematics Series 55.
- G. B. Arfken, H. J. Weber: "Mathematical Methods For Physicists", 6th edition (2005), ELSEVIER.
- N. N. Lebedev: "Special Functions & Their Applications", translated and edited by R. A. Silverman , (1965), Prentice-Hall, INC.
- L. I. Schiff: "Quantum Mechanics" 3rd edition (1968), McGraw-Hill, INC.
- Laguerre polynomials - Wikipedia