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adhara’s blog

数理物理に関する記事を書きます。 https://twitter.com/adhara_mathphys

水素様原子における量子力学版Laplace-Runge-Lenzベクトル(その3) 〜 ベクトル成分間の交換関係 〜

シュレディンガー方程式 中心力ポテンシャル 量子力学 水素様原子 Laplace-Runge-Lenzベクトル

数回に分けて、水素様原子に対する(非相対論的)束縛状態エネルギースペクトル
 {\displaystyle
E_n = - \frac{1}{2n^2}\frac{m_e}{\hbar^2}\left(\frac{Ze^2}{4\pi\epsilon_0} \right)^2
}
を求めるための7通りの解法を紹介する予定である。

  1. E. Schrödingerによる波動方程式解法(ラゲール陪多項式を用いる)
  2. W. Pauliによるso(4)代数を用いる解法
  3. su(1,1)代数を用いた解法
  4. 因数分解を用いた解法
  5. V. Fockによる運動量表示を用いた解法
  6. E. Schrödinger、P. S. Epstein、I. Wallerらによる波動方程式解法(放物線座標表示の解)
  7. 経路積分を用いる方法

本記事では、その2のPauliによるso(4)代数を用いる解法を紹介するための準備として、角運動量ベクトルと(規格化した)Laplace-Runge-Lenz(LRL)ベクトルの成分間における交換関係の計算を行う。

計算結果のみ列挙すると、
角運動量ベクトル成分間の交換関係が
{\displaystyle
[L_i,L_j] = i\hbar\sum_{k}\epsilon_{ijk}L_k
}
角運動量ベクトル成分とLRLベクトル成分間の交換関係が
{\displaystyle
[M_i,L_j] = i\hbar\sum_{k}\epsilon_{ijk}M_k
}
、LRLベクトル成分間の交換関係が
{\displaystyle
[M_i,M_j] =-i\hbar \frac{2}{m_e}H\sum_{k}\epsilon_{ijk}L_k
}
となる。


まとめ

本記事では、角運動量ベクトルと(規格化した)Laplace-Runge-Lenz(LRL)ベクトルの成分間における交換関係の計算を行った。
この交換関係より、角運動量ベクトル・LRLベクトルの各成分はso(4)代数の基底を成すことが分かる。
このso(4)代数構造を利用した水素様原子のエネルギースペクトルの解法を次回の記事で紹介する。


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