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adhara’s blog

数理物理に関する記事を書きます。 https://twitter.com/adhara_mathphys

水素様原子のエネルギースペクトル解法(その5)〜 Fockの解法 〜

シュレディンガー方程式 水素様原子 量子力学 中心力ポテンシャル ラプラシアン フーリエ変換 球面調和関数 グリーン関数 超球面 リー代数

数回に分けて、水素様原子に対する(非相対論的)束縛状態エネルギースペクトル
 {\displaystyle
E_n = - \frac{1}{2n^2}\frac{m_e}{\hbar^2}\left(\frac{Ze^2}{4\pi\epsilon_0} \right)^2
}
を求めるための7通りの解法を紹介する予定である。

  1. E. Schrödingerによる波動方程式解法(ラゲール陪多項式を用いる)
  2. W. Pauliによるso(4)代数を用いる解法
  3. su(1,1)代数を用いた解法
  4. 因数分解を用いた解法
  5. V. Fockによる運動量表示を用いた解法
  6. E. Schrödinger、P. S. Epstein、I. Wallerらによる波動方程式解法(放物線座標表示の解)
  7. 経路積分を用いる方法


本記事ではその5のFock(を一般のD次元に拡張したもの)による解法のメインパートを紹介する。
前半(シュレディンガー方程式フーリエ変換)については
adhara.hatenadiary.jp
で紹介している。
また数学の準備としては
adhara.hatenadiary.jp
adhara.hatenadiary.jp
adhara.hatenadiary.jp
などを行っている。

本記事を書くにあたり、とくにM. Bander and C. Itzykson
を参考にした。
3次元のヴァージョンは、日本語のものとして立川さんの講義ノートがあるのを始めフリーで読めるものは多いので是非参照して欲しい。
(下記にリファレンスへのリンクを沢山張ってある。)

結論から言うと、D次元の水素様原子のエネルギースペクトルは
 {\textstyle n \ge 0}として
 {\displaystyle
E_n = E = - \frac{1}{2} \frac{1}{\left(\frac{2n+D-1}{2}\right)^2} \frac{m_e}{\hbar^2} \left(\frac{Ze^2}{4\pi\epsilon_0} \right)^2
}
であり、縮重度は
 {\displaystyle
{}_{n+D} C_n - {}_{n+D-2} C_{n-2} 
}
となる。

本記事の構成は以下のようになっている。

  1. フーリエ変換表示(前半部のおさらい)
  2. 超球面上の積分への変換(立体射影)
  3. グリーン関数、球面調和関数(高次元版)について
  4. 留数定理のようなテクニックで積分をする
  5. エネルギースペクトルの導出
  6. 付録

まとめと今後の展望

Fockに倣って運動量空間における方程式から水素様原子のエネルギースペクトルを求めた。

今回は解法を書いただけなので物理的意義について踏み込めていないと感じている。
したがって、図解の記事を他の解法にならってもうけたいと考えている。

また、Fockの解法と同様にso(4)の対称性を利用した解法である、
パウリの解法
との関連性を論じる記事についても今後書こうと考えている。
こちらについてはBargmannの議論を参考にする。

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